この記事では、誰でも出来る面白い脚本の作り方を紹介します。特に動画向けの脚本・ストーリー作りに最適です。
Youtubeの動画など作っていると困るのが「ストーリー作り」です。
どうすれば面白くなるか分からないから、適当なストーリーで動画を作ってしまったりします。
ストーリーが甘いとだらだらと録画して時間を無駄にしがちです。
そして、録画した動画も長い時間になったせいで編集が大変になったります。
この記事を読めば
- 脚本の書き方が分かる。
- 面白いストーリーの作り方が分かる
- ストーリーが面白くなる「時間配分」が分かる。
例えば、8時間くらいのゲーム実況動画を効率的に10分にまとめて「飽きないストーリーの動画」にすることが出来るようになります。
この記事で紹介する「三幕構成」は、ハリウッド映画の脚本作りに必ず用いられる脚本術です。
「三幕構成」を使えば誰でも簡単に面白いストーリー作りが出来るようになります。
三幕構成を使ってステップバイステップで脚本作りを紹介していきますので、ぜひじっくり読んでみてください。
「三幕構成」はハリウッド式の脚本術!
三幕構成は映画の脚本向きです。ハリウッド映画では必ず取り入れられる脚本術です。
三幕構成で脚本を構成すればストーリーの時間管理が簡単になるからです。
三幕構成(さんまくこうせい、Three-act structure)は、脚本の構成である。三幕構成では、ストーリーは3つの幕 (部分) に分かれる。それぞれの幕は設定 (Set-up)、対立 (Confrontation)、解決 (Resolution) の役割を持つ。3つの幕の比は1:2:1である。
引用:三幕構成 - Wikipedia
動画・映像向きの脚本作りとは言え、小説、コミックなど他の分野にも応用できます。
三幕構成が「人を飽きさせない脚本」の考え方になっているからです
一般に、映画の脚本は三幕構成になっている。国際的には、映画は三幕構成のモデルに基づいて制作されている。三幕構成のモデルは、小説、コミック、ゲーム、テレビドラマ、およびドキュメンタリーなど他の分野にも応用される。
引用:三幕構成 - Wikipedia
すぐ使える「三幕構成」の脚本作りのポイント!
この記事では「三幕構成」の大切なポイントを押さえて脚本作りをしてみます。
三幕構成での脚本作りのポイント
- ストーリーは「主シナリオ・副シナリオ」で2本立て以上にする。
- イベントを出すタイミングを確実に狙う。
- 山場に山場を重ねる。窮地に窮地を重ねるなど。
これを意識するだけでも「かなり面白い脚本」になります。
実際にこのポイントを押さえながら、マイクラ動画で脚本作りを実践してみます。
ダメな脚本の例:アーカイヴ(映画)
面白いストーリーにするために、自由にストーリー・脚本を考えましょう。
ただ、そんなストーリー・脚本にもアンチパターンがあります。
ダメな脚本は「夢オチストーリー」です。
脚本を腐るほど見てきているプロたちは「夢オチストーリー」ほどクソ脚本はないと考えています。業界内の「暗黙の了解」と言っても過言ではありません。
最近たまたま見た映画の中に盛大な「夢オチ映画」がありました。
Amazon Primeなら無料で観れる!
この夢オチ映画は意外にも評価が高いです。
映像が綺麗だったり、物語の破綻が最後までないためかもしれません。
しかし、伏線の落とし所は最も楽な「夢オチ」で終わります。
結局、視聴者が楽しめれば良いので、その点では上手い映画なのかもしれません。映画と言えど「娯楽」なので、観てる側は作り込みなんか気にしないからです。
「夢オチ」ストーリーで「すべてがぶち壊し」になる。
脚本の観点で言えば「夢オチ」ほどしょうもない脚本ストーリーはありません。
視聴者の気持ちもすべて「ぶち壊し」にするからです。
- ディープインパクトなら世界の崩壊を救って、すべて「夢」でしたー。
- 進撃の巨人なら巨人に人が殺されまくって、すべて「夢」でしたー。
- バック・トゥ・ザ・フューチャー3までやって、すべて主人公の「夢」でしたー。
どうでしょうか?
「夢オチ」はストーリーとして完璧に成立します。
ただ、「バリくそしょうもない」と思いませんか?
僕だったら「金と時間を返せ」と言いますね。そして2度とその監督の映画を見ません。
どんなストーリーでも「夢」で成立する一方で、ストーリー・脚本が意味をなさなくなるからです。なんでも「夢オチ」で済ませれば、世の中も平和でしょうね。
では、三幕構成を使って脚本作りを実践していきましょう。
実践:「三幕構成」を使ってマイクラ動画の脚本作り!
手探りで面白い脚本を作るのは難しいです。
三幕構成は完全に狙って面白いストーリーを作れます。
マイクラのエンドラ討伐を例にストーリー構成を実践していきみます。
実践:マイクラのエンドラ討伐を脚本で考える。
マインクラフトは、オープンワールド、フリーシナリオの世界で一番売れたゲームです。
フリーシナリオですが、マイクラにはエンダードラゴンというラスボス的な敵がいます。倒すかどうかは自由です。
そんなエンドラ系を倒すRTA系の動画は数多くあり人気です。このエンドラ討伐で10分動画の脚本を考えてみます。
ちなみに、三幕構成に尺の長さはあまり関係なく「5分なら5分用」に尺を取り直して考えることができます。
三幕構成で脚本作りを実践!
- 基本シナリオを考える。
- 主シナリオ・副シナリオを考える。
- シナリオに時間配分を加味する。
- +α 窮地、どんでん返しを重ねる。
シナリオについては時間をどれだ費やすか次第です。時間をかければかけるほど面白さの精度は上がると思います。つまり、完成度は「時間との戦い」です。
三幕構成のバイブル本
ステップ①:基本シナリオを書き出す
基本シナリオ | 改善点 |
---|---|
最初の木こり&クラフト 鉱石掘り(ブランチマイニング) ネザーポータル ネザー要塞 打倒エンダードラゴン | ①シナリオが単調 ②時間配分 ③+αでどんでん返しを追加する |
上の基本シナリオは、かなりラフです。
いわゆる「起承転結」です。「起承転結」は、手軽にストーリーを作れるのが利点です。
ただ、そのシナリオは「単調」でかなり「不完全」です。
動画では、まずは「通し」で最初から最後までの基本シナリオを書き出しましょう。
基本シナリオを考えるのは意外と楽しいはずです。
特にルールがある訳でもなく、自由な発想で考えれるからです。ちなみに、基本シナリオは気楽に考えましょう。奇抜なシナリオにしようとすると筆が止まるからです。
どちらにしろ副シナリオを考えていくので、その過程で面白くなる可能性が全然あります。
副シナリオを考えるとシナリオ同士で有機的な反応が起きるので、「面白く」しようと焦らなくても大丈夫です。
ステップ②:基本シナリオから「主シナリオ」と「副シナリオ」に分ける。
主シナリオ エンダードラゴンを倒す。 | 副シナリオ |
---|---|
最初の木こり&クラフト | |
鉱石掘り(ブラマイ) | ダイヤ掘り |
溶岩ダイブ | |
黒曜石を作る | |
ネザーポータル作成 | |
ネザー | エンダーアイ |
ネザー要塞発見 | |
ネザー要塞 | ブレイズ討伐 |
エンダーアイ×12 | |
エンドポータル開通 | |
エンダードラゴン | 戦闘準備 |
エンドラ戦い | |
エンドラ討伐 |
基本シナリオを「主シナリオ」と「副シナリオ」に分けます。
自分で言うのも何ですがあまり面白くない「副シナリオ」です。
というのも、副シナリオと書いておきながら「単なる作業」の列挙になっているからです。
まぁ動画なので録画過程で「面白いシーン」が撮れるのを期待して作っていたりします。
副シナリオの狙い
ありきたりな基本シナリオの差別化です。副シナリオに分けると、ありきたりなシナリオの動画でも何かしら差別化できるシーンが生まれます。
また、副シナリオをもっと面白くするなら、伏線的なシナリオにすると良いでしょう。
「最初の段階から最後のイベントまで継続する副シナリオ」は面白くなりやすいです。
例えば
- マイクラなら最初の段階で「牢獄」を作っておきます。
- 途中で何度もチート的な問題が発生します。
- 実は友達が「荒らしだった」というオチで、最後に牢獄にぶち込めば、見ている側もスッキリします。
ステップ③:時間を配分する
主シナリオ エンダードラゴンを倒す。 | 副シナリオ | 時間配分(10分想定) |
---|---|---|
最初の木こり&クラフト | ||
鉱石掘り(ブラマイ) | ダイヤ掘り | 1分15秒 |
溶岩ダイブ | ||
黒曜石を作る | ||
ネザーポータル作成 | ||
ネザー | エンダーアイ | 3分45秒 |
ネザー要塞発見 | ||
ネザー要塞 | ブレイズ討伐 | 5分 |
エンダーアイ×12 | ||
エンドポータル開通 | ||
エンダードラゴン | 戦闘準備 | 6分15秒 |
エンドラ戦い | 7分30秒 | |
エンドラ討伐 | 9分25秒 |
三幕に沿った時間配分を記載しました。時間配分はかなり重要です。
動画の「時間配分」を知っているだけで動画は格段に面白くなります。
三幕構成を使えば「時間配分」を完璧にコントロールすることができます。
例えば、3分45秒のタイミングはちょうど10分尺の3/8地点です。
この時間帯は「視聴者が飽きてきそうなタイミング」です。
このため、「ネザー」にシーンが映りますが、狙って次の展開を入れました。
この時間配分で各々のシーンを見せれば、見ていても退屈しない飽きない動画になるわけです。
ただ、まだまだ面白くなるポイントがあります。
赤塗りしている「エンドラの戦いシーン」に窮地を重ねることで、かなり面白くなります。
ステップ④:+αで窮地・どんでん返しを追加する
7分30秒から始まるエンドラとの戦いシーンには、窮地&どんでん返しを重ねて入れると格段に面白くなります。
この時、窮地&どんでん返しを必ず2回以上繰り返しましょう。
窮地&どんでん返しのタイミング | |
窮地① 全滅シーンなどエンドラの絶望的な強さを見せつける。 | 8分30秒 |
↓ | |
窮地② 拠点の武器が全ロスして戦えないなど、さらに窮地を作る。 | 8分45秒 |
↓ | |
どうにかして巻き返してエンドラ討伐完了 | 9分35秒 |
↓ | |
後日談 | 9分35秒以降 |
こうすることで「8分45秒」に見てる側は「マジか!?」となります。
そして、こう思うはずです「この後、後ろの尺の短さでどうやって取り戻すんだ?」と。
どうでしょうか?
考えるだけでもワクワクしてきませんか?
三幕構成のバイブル本
最終版:マイクラのエンドラ討伐動画
主シナリオ エンダードラゴンを倒す。 | 副シナリオ | 時間配分(10分想定) |
---|---|---|
最初の木こり&クラフト | ||
鉱石掘り(ブラマイ) | ダイヤ掘り | 1分15秒 |
溶岩ダイブ | ||
黒曜石を作る | ||
ネザーポータル作成 | ||
ネザー | エンダーアイ | 3分45秒 |
ネザー要塞発見 | ||
ネザー要塞 | ブレイズ討伐 | 5分 |
エンダーアイ×12 | ||
エンドポータル開通 | ||
エンダードラゴン | 戦闘準備 | 6分15秒 |
エンドラ戦い | 7分30秒 | |
窮地①:全滅 | 8分30秒 | |
窮地②:武器全ロス | 8分45秒 | |
解決:エンドラ討伐 | 9分35秒 | |
後日談 | まとめなど | 9分35秒以降 |
マイクラのエンドラ討伐動画の最終版の脚本が上です。
どうでしょうか?
機会があれば実際に動画にしてみますが、飽きない動画ストーリになっていると思います。
10分なのでストーリーにスピード感もあります。
特に、ネザーからエンドラまでは「2分15秒」なのでめちゃくちゃ良い感じに退屈せず駆け足で見れます。
このタイミングは三幕構成で決められる「幕」に従って設定しています。
「幕」の設定については下のバイブル本を読むのがオススメです。
僕がこれまでに読んだ脚本術の本でも、内容が最も分かりやすくすぐ活用できる実践的な本です。
三幕構成のバイブル本
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