- 無料と書いてある通りレンタルサーバーを使いません。
- 準備するものは、自宅のPCとインターネット回線だけです。
僕はプロのITエンジニアです。
そんな僕がマイクラ鯖を構築する記事を書く理由は、ほとんどの記事でマイクラ鯖を立てるのは無理だからです。ちなみにサーバーを外部に公開する方法は"ポート開放"ではありません。
"マイクラ サーバー構築"で検索してみて下さい。
出てくる記事のすべてが"ポート開放"の記事です。
外部に公開できない
- 外部公開≠ポート開放
- ポートを説明しても、素人解説で余計に「分からない」。
- 締め括りは「ConoHa WING」のアフィリエイト
ポート開放を解説している記事を読んでも、サーバーを外部に公開できません。
外部に公開する方法は"ポート転送"です。
本記事では僕自身がこの手順で鯖を構築したので確実に鯖を外部に公開できます。外部公開のエビデンスとして画像を見るだけでも分かると思います。じっくり読んでみてぜひ参考にしてみください。
本記事で構築する統合版マイクラサーバー環境
サーバー環境
- Windows ※x86・arm64のどちらでもオッケー
- Nukkitサーバー
- Javaランタイム環境
- フォルダ場所は
C:\Nukkit
で作業 ※場所はどこでも良いです - ポート開放ツールを使わない
Windowsは10でも11でもなんでも構いません。Javaならどんな環境でも動作するからです。
その他、疑問点を以下にまとめたので読むと理解が深まると思います。
- 本記事で対象とするWindowsは?
-
Windows 10・11などすべてのWindowsで動作します。
Javaを使うので、x64・arm64のどちらでも動作します。
- なんでNukkitサーバーを使うのか?
-
Javaランタイム環境上で動作するからです。Javaランタイム環境の方がどんなデバイス上でも鯖を手軽に起動できるようになります。
- なんでポート開放ツールを使わないのか?
-
好みですが、ポート開放をツールを使わない方がネットワークの理解に役立つからです。
- 公式サーバーを使うならJavaは必要か?
-
不要です。公式サーバーはJavaを使いません。
ただ、公式サーバーを使うのはオススメしません。Javaで起動するNukkitサーバーの方が手軽に構築できるからです。
- 公式サーバーとNukkitサーバーの違いは?
-
公式サーバーの方がサーバー構築の手間が掛かります。
例えば、Xbox Live用のポート開放が必要になります。
Windowsに無料でMinecraftサーバーを建てる!流れ
Windowsに無料でマイクラサーバーを建てる!流れは下の通りです。
解説のために多少長ったらしい冗長な手順にしています。
なので、サーバーを外部に公開する仕組みが分かっている人は「ローカル環境からサーバーに接続する」という手順を省いてもらって構いません。
鯖を建てる流れ
- ① 環境準備
- Javaのインストール
- WindowsでIPアドレスを調べる
- ② マイクラサーバーをダウンロード
- ③ マイクラサーバーを起動する
- ④ ポート開放
- ⑤ 接続テスト1:ローカル環境からサーバーに接続する
- ⑥ ルーターを設定して、サーバーを外部に公開する
- ⑦ 接続テスト2:グローバル環境からサーバーに接続する
上から順に作業を進めていきます。
サーバーを立てるポイント
- ローカル環境(内部)でのサーバー接続
- グローバル環境(外部)でのサーバー接続
ほとんどの人は・ローカル環境(内部)でのサーバー接続と・グローバル環境(外部)でのサーバー接続の違いを理解できていません。
結果が同じなので、その違いが分からないのかも知れません。
サーバーを建てる際は、必ずローカル環境とグローバル環境の違いを意識するようにしましょう。
① Windows 環境設定
マイクラのサーバー構築に必要なWindows環境を設定していきます。
環境設定の流れ
- 1. Windowsシステム更新
- 2. PowerShell 使い方
- 3. OpenJDK(javaランタイム)
- 4. IPアドレス
Windowsシステム更新は念の為です。順々にやっていきます。
下記タブを切り替えて確認してください。
1. Windowsシステム更新
準備中
② Nukkitサーバーをダウンロード【Windows】
- Jenkins Cloudburst - Nukkit Branch master
- 最新のnukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
- https://ci.opencollab.dev/job/NukkitX/job/Nukkit/job/master/
上記URLから最新のNukkitサーバーnukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
をダウンロードすればオッケーです。赤枠のリンクからjarファイルをダウンロードできます。
※面倒臭いですがwinget
でNukkitサーバーを構築する方法もあります。
③ Nukkitサーバーを起動する
PS C:\Nukkit> java -Xms1G -Xmx4G -jar nukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
上がNukkitサーバーを起動させるコマンドです。
PowerShell 7.2.6
Copyright (c) Microsoft Corporation.
https://aka.ms/powershell
Type 'help' to get help.
PS C:\Nukkit> java -Xms1G -Xmx4G -jar nukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
2022-09-04 04:07:36,675 main WARN Disabling terminal, you're running in an unsupported environment.
04:07:36 [INFO ] Welcome! Please choose a language first!
04:07:36 [INFO ] eng => English
04:07:36 [INFO ] chs => 中文(?体)
04:07:36 [INFO ] cht => 中文(繁體)
04:07:36 [INFO ] jpn => 日本語
04:07:36 [INFO ] rus => Pycc?ий
04:07:36 [INFO ] spa => Espa?ol
04:07:36 [INFO ] pol => Polish
04:07:36 [INFO ] bra => Portugu?s-Brasil
04:07:36 [INFO ] kor => ???
04:07:36 [INFO ] ukr => Укра?нська
04:07:36 [INFO ] deu => Deutsch
04:07:36 [INFO ] ltu => Lietuvi?kai
04:07:36 [INFO ] idn => Indonesia
04:07:36 [INFO ] cze => Czech
04:07:36 [INFO ] tur => Turkish
04:07:36 [INFO ] fin => Suomi
04:07:36 [INFO ] ara => ???????
jpn
初回起動時に使用する言語を聞かれます。
jpn
と打ってEnter
で次に進みます。
サーバー起動例
PowerShell 7.2.6
Copyright (c) Microsoft Corporation.
https://aka.ms/powershell
Type 'help' to get help.
PS C:\Nukkit> java -Xms1G -Xmx4G -jar nukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
2022-09-04 03:23:29,583 main WARN Disabling terminal, you're running in an unsupported environment.
03:23:29 [INFO ] Loading nukkit.yml ...
03:23:29 [INFO ] Loading server.properties ...
03:23:29 [INFO ] 日本語 (jpn) を言語に選択しました
03:23:29 [INFO ] Minecraft: BEサーバー(v1.19.21に対応)を起動しています
03:23:29 [INFO ] Selected Zlib Provider: 2 (cn.nukkit.utils.ZlibThreadLocal)
03:23:29 [INFO ] 0.0.0.0:19132上でサーバーを開始しています
03:23:29 [INFO ] このサーバーはNukkitのバージョンgit-40701a1「」(API 1.0.14)で動作しています
03:23:29 [INFO ] NukkitはGPLライセンスに基づき配布されています
03:23:29 [INFO ] Loading runtime items...
03:23:30 [INFO ] Loading recipes...
03:23:30 [INFO ] Loaded 1509 recipes.
03:23:30 [INFO ] Successfully loaded 0 resource packs
03:23:30 [INFO ] ワールド "world" を読み込んでいます
03:23:30 [INFO ] Preparing start region for level "world"
03:23:30 [INFO ] ワールド "nether" を読み込んでいます
03:23:30 [INFO ] Preparing start region for level "nether"
03:23:30 [INFO ] GS4ステータス リスナーを開始
03:23:30 [INFO ] クエリポートを設定: 19132
03:23:30 [INFO ] クエリーは 0.0.0.0:19132 で動作しています
03:23:30 [INFO ] デフォルトゲームタイプ: サバイバルモード
03:23:30 [INFO ] 起動完了(0.891秒)! "help"または"?"でヘルプを表示
サーバーを起動するコマンドはjava -Xms1G -Xmx4G -jar nukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
です。
サーバー起動時にはポート番号などの設定値が表示されます。
起動時の表示にサーバー情報が出る!
03:23:29 [INFO ] 0.0.0.0:19132上でサーバーを開始しています
起動時の表示を見れば、調べなくてもサーバー情報が色々分かります。
起動時の表示を見る癖をつけると良いでしょう。
TCPポートを開放
「Windows Defender」は、Windowsデフォルトのセキュリティソフトです。
McAfeeなど他社のセキュリティソフトを入れていない人は、この「Windows Defender」の場合でのポート開放になります。
と言っても、ポート開放はクリック一つで完了します。
Javaサーバーをはじめて起動するとWindows Defenderの画面が表示されます(上の画像)。
この画面の「アクセスを許可する」を押すだけで、ローカルマシン(Windowsマシン)のポート開放は完了です。
ちなみにこの画面はJava(OpenJDK)のポートアクセス許可を承諾する画面です。
赤枠のパブリック(WAN)か、プライベート(LAN)のどちらの設定か?という話ですが、外部に公開するサーバーを立てるのでパプリック、プライベートの両方に✔︎をつけましょう。
※ちなみにパプリックにチェックをつけると、Windowsマシンのセキュリティは弱くなります。
McAfeeでのポート開放のやり方
McAfee(その他のセキュリティソフト)を使ってるなら、そのセキュリティソフトだけポート設定をすれば十分です。
なので、McAfee(その他のセキュリティソフト)を使っているなら、Windows Defenderの設定は不要です。
ポート設定がきちんと反映されているか、Windows Defenderの設定を確認しておきましょう。
開放したUDPポートを確認します。
なぜなら「OpenJDKプログラムのポートを開放しました。それを確認してください。」と言われたら?
は?何のこと?となる人が大半だからです。
上で既に開いたJavaのプログラムポートのことです。自分でポート開放してるのに、それの確認方法を知らない人が大多数なので、きちんと確認しておきましょう。
ポート開放の設定を見るにはWindows Defenderを開きます。Windows Defenderを開くには検索欄に"defender"と入力すれば表示されます。
※McAfeeなど他のセキュリティソフトを使ってる場合は、その設定を確認してください。
「Windows Defender ファイアーウォール」をクリックしましょう。
赤枠「詳細設定」を開きます。
確認するのは「受信の規則」です。ちなみに「送信の規則」には「OpenJDK」の設定欄はないはずです。
「受信の規則」を開くと、小さいですが「OpenJDK」の欄がTCP・UDPで二行があります。
統合版マイクラサーバーで確認するのはUDP
の欄です。
※Java版マイクラサーバーはTCP
の欄です。
理由は、統合版マイクラサーバーで受け付けるポート:19132
はUDP
だからです。
OpenJDKの受信規則で何を確認するか?
- TCP or UDP
- ポートは何を設定しているか?
- パブリック or プライベートネットワーク?
パブリック or プライベートネットワークってなに?と思うかも知れません。
外部(グローバル・パブリックとも言う)か、内部(ローカル・プライベートとも言う)か、の違いです。
さて、OpenJDK(UDP)の行を選んで、右の赤枠「プロパティ」を開きます。
OpenJDKプログラムのアクセス許可に関する設定画面です。
とりあえず、30秒眺めてください。「ふーん」となればオッケーです。
これも、とりあえず、30秒眺めてください。
さて、この画面は受信ポートのプロトコルがUDP
で、受付ポートはすべて
ということです。
つまり、OpenJDKを使うプログラムはポート:19132/UDP
に限らず、すべてのUDPポートを受け付ける
ということです。
例えば、思いつきでサーバーをポート:64553/UDP
で受け付けても、他のプログラムのポートと衝突しなければ即受付されるということです。
ネットワークのスコープも設定できます。
サーバーを外部に公開しないならプライベートネットワークのみの設定にすると良いでしょう。
どうでしょう?
自分でポート開放の設定を見たら腑に落ちませんか?
自動でポート開放された設定値をそのままにせず、次回に活かすために確認しておくと良いでしょう。
ローカルマシン(Windowsマシン)のネットワーク設定は「パブリック」
この設定も念の為に確認しておいて下さい。
ローカルマシン(Windowsマシン)そのものは「パブリック」に設定されていると思います。
ちなみに、パブリックの方がセキュリティ的には厳しい設定になります。
ネットワーク設定の違い
- パブリック:外部のネットワークに繋ぐため、リモート接続などのポート閉じる。
- プライベート:内部のネットワークで使用するため、リモート接続などのポートを開く。
頭が混乱するかも知れませんが、こちらはPC本体の設定です。
上のOpenJDKをパブリック設定にすると、セキュリティが甘くなる話とは違います。
ネットワーク設定の画面を開くなら
デスクトップ右下のアンテナを右クリックすれば開くことができます。
⑤ 接続テスト1:ローカル環境からサーバーに接続する【統合版】
Pアドレスの確認、ローカルマシンのポート開放も済んだので、ローカル環境からサーバーに接続テストをしましょう(以下、ローカル接続テストと言います。)。
下記手順で進めましょう。
ローカル接続テスト手順
- 1)統合版マイクラサーバーを起動する。
- 2)IPアドレス・ポート番号を再度確認する。
- 3)Wifiスマホで統合版サーバーにアクセスする。
当然、IPアドレス、ポート番号が必要になるので、どこかにメモっておきましょう。
先ずはサーバーを起動しましょう。
1)統合版マイクラサーバーを起動する。
PowerShell 7.2.6
Copyright (c) Microsoft Corporation.
https://aka.ms/powershell
Type 'help' to get help.
PS C:\Nukkit> java -Xms1G -Xmx4G -jar nukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
2022-09-04 03:23:29,583 main WARN Disabling terminal, you're running in an unsupported environment.
03:23:29 [INFO ] Loading nukkit.yml ...
03:23:29 [INFO ] Loading server.properties ...
03:23:29 [INFO ] 日本語 (jpn) を言語に選択しました
03:23:29 [INFO ] Minecraft: BEサーバー(v1.19.21に対応)を起動しています
03:23:29 [INFO ] Selected Zlib Provider: 2 (cn.nukkit.utils.ZlibThreadLocal)
03:23:29 [INFO ] 0.0.0.0:19132上でサーバーを開始しています
03:23:29 [INFO ] このサーバーはNukkitのバージョンgit-40701a1「」(API 1.0.14)で動作しています
03:23:29 [INFO ] NukkitはGPLライセンスに基づき配布されています
03:23:29 [INFO ] Loading runtime items...
03:23:30 [INFO ] Loading recipes...
03:23:30 [INFO ] Loaded 1509 recipes.
03:23:30 [INFO ] Successfully loaded 0 resource packs
03:23:30 [INFO ] ワールド "world" を読み込んでいます
03:23:30 [INFO ] Preparing start region for level "world"
03:23:30 [INFO ] ワールド "nether" を読み込んでいます
03:23:30 [INFO ] Preparing start region for level "nether"
03:23:30 [INFO ] GS4ステータス リスナーを開始
03:23:30 [INFO ] クエリポートを設定: 19132
03:23:30 [INFO ] クエリーは 0.0.0.0:19132 で動作しています
03:23:30 [INFO ] デフォルトゲームタイプ: サバイバルモード
03:23:30 [INFO ] 起動完了(0.891秒)! "help"または"?"でヘルプを表示
サーバーを起動させるコマンドはjava -Xms1G -Xmx4G -jar nukkit-1.0-SNAPSHOT.jar
です。
2)IPアドレス・ポート番号を再度確認する。
PowerShell 7.2.6
Copyright (c) Microsoft Corporation.
https://aka.ms/powershell
Type 'help' to get help.
PS C:\Users\m1_macbookair2020> ipconfig
Windows IP 構成
イーサネット アダプター イーサネット:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
IPv6 アドレス . . . . . . . . . . . .: 240b:250:89e0:d200:d8ed:c36c:e2fa:112c
一時 IPv6 アドレス. . . . . . . . . .: 240b:250:89e0:d200:85a4:c346:84:5b4f
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::d8ed:c36c:e2fa:112c%10
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.10.103
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: fe80::8222:a7ff:fe0e:b368%10
192.168.10.1
PS C:\Users\m1_macbookair2020>
IPアドレスを調べるコマンドはipconfig
です。
上の表示からIPアドレスは192.168.10.103
だと分かります。
ポートは上のサーバー起動の表示から19132
だと分かります。
3)Wifiスマホで統合版サーバーにアクセスする。
ローカル環境からサーバーに接続する端末選びですが「自宅のWifiに接続したスマホ」を使うと良いでしょう。
細かなことが分からなければ、とりあえず「自宅のWifiに接続したスマホ」でサーバーに接続してみて下さい。
「自宅のWifiに接続したスマホ」を準備したら、Minecraftのアプリを起動します。
次に「遊ぶ」を押します。
次に上部の「サーバー」から「サーバーを追加」を押します。
サーバー情報の入力が出るので、調べておいたローカルIPアドレス、ポートを入力します。
最後に「保存」を押して次に進みます。
サーバーが追加されたので、サーバーを選択して「サーバーに参加」を押せば、起動しているローカルサーバーに接続します。
何やら注意事項が表示されるので確認して「続行」を押します。
サーバー接続中の表示になるので暫く待ちます。
サーバーにログインできたら、ローカル接続テストは成功です。
念の為、サーバープロンプトを確認しておきましょう。
Windows11の統合版マイクラサーバー(Nukkitサーバー)に、"アカウントA"でログインできてるのが分かると思います。
念の為、サーバーのプロンプトも確認しておきましょう。
特に、この表示に注目してください。
11:36:19 [INFO ] アカウントA[/192.168.10.102:52956] がエンティティID 1 として (world, 128.0, 66.0, 128.0)にログインしました
アカウントA[/192.168.10.102:52956]
このアドレスは、グローバルIPアドレスか、ローカルIPアドレスか?どちらでしょうか?
答えはローカルIPアドレスです。
これはローカルサーバーの接続テストです。
まだ、外部にサーバーを公開していないので外の友達からはこのサーバーにはアクセスできません。
では、次にローカルサーバーを外部に公開していきましょう。
⑥ 外部に公開!ルーター「Aterm WG2600HS」でのUDPポート転送の設定例
サーバーを外部に公開するのはここからが本番です。
サーバーを外部に公開するためには、ルーター側にポート転送設定を行います。
場合によってはパケットフィルタ設定(ルーター上のポート開放)も必要になるかも知れません(今回は不要です。)。
※「ルーター」「ポート転送」など「用語解説」は下にあります。
先ずはルーターの設定画面を開こう
ルーターのURLは、ローカルIPアドレスの最下段を"1"にしたアドレスです。
ローカルIPアドレスが192.168.10.101
なら、ルーターのURLは192.168.10.1
です。
僕の環境では、ルーターの設定画面を開くには、URL欄にhttps://192.168.10.1
でアクセスしました。
また、ログインに必要な「ユーザー名」などは注意書きされてます。
「ユーザー名」には「admin」と半角小文字で入力し、「パスワード」には、本商品本体のラベルに記載された数字6桁のパスワード(Web PW)を入力して、[ログイン]をクリックしてください。
機器によっては取扱説明書などにユーザー名などの初期設定値が記載されていたりもします。
他の機器も多少違いはあれど、ほとんど同じです。
ルーター画面からポートマッピング設定を開く
ルーターにログインしたら、上記画面が表示されます。中段右側に「ポートマッピング設定」という項目があるので、それをクリックします。
ちなみに、ルーターAterm WG2600HSでは、ポート転送を"ポートマッピング"と言います。
BUFFALOなどのルーター機器だと"ポートフォワーディング"と表示されてるかも知れません。ポート転送=ポートマッピング=ポートフォワーディング、すべて同じ意味です。
※「ルーター」「ポート転送」など「用語解説」は下にあります。
ポートマッピングの設定をする
上の画像が、Aterm WG2600HSのポート転送設定の画面です。
上段から
- 利用可能ポート:変換対象ポートで利用可能なポート
- NATエントリ追加:ここにポート転送設定を入力します。
それでは統合版マイクラサーバー外部公開時のポート転送の設定例を解説します。
統合版マイクラサーバー外部公開時のポート転送の設定例
今回の例では統合版マイクラサーバー(Nukkitサーバー)を想定して下記のネットワーク環境で解説します。自分の環境に読み替えて設定して下さい。
ネットワーク環境
- WAN側(外部):
グローバルIPアドレス:ポート(19744/UDP)
- LAN内サーバー(内部):
192.168.10.103:19132/UDP
ポートは内部と外部ともに19132/UDP
で統一した方が分かりやすいですが、ルーターで設定できる「利用可能ポート」の範囲外なのでWAN側ポートは19744/UDP
としました。
ちなみに、WAN側とLAN側のポート番号を変えた方がセキュリティ的には、はるかに強くなります。
というか、WAN側ポートを変えるというのは、セキュリティを上げるテクニックです。
理由は、統合版マイクラ鯖に接続するポート19132/UDP
は、誰もが知っているからです。
これはグローバルIPアドレスを知られるとグローバルIPアドレス:19132
で好き放題にアクセスされる状態で危険なんです。
中継地点となるルーターは、WAN側ポート19744/UDP
のアクセスをLAN内サーバー192.168.10.103:19132
に道案内する役割です。これをポート転送と言います。
サーバー接続の流れ
- 外部からは
グローバルIPアドレス:ポート(19744/UDP)
でサーバーにアクセスする。 - 中継地点のルーターは
ポート:19744
を192.168.10.103:19132/UDP
にポート転送する。 - その結果、マイクラサーバー
192.168.10.103:19132/UDP
が接続に応答する。
さて、上記の内容で、ルーターに実際に設定してみましょう。
WAN側ポート19744/UDP
を
LAN側ポート192.168.10.103:19132/UDP
に転送する。
WAN側ポート19744/UDP
をLAN側ポート192.168.10.103:19132/UDP
にポート転送する設定をします。
ポート転送
- LAN側ホスト:マイクラサーバー
192.168.10.103
- プロトコル:
UDP
- 変換対象ポート番号:WAN側ポート(今回は
19744/UDP
) - 宛先ポート番号:LAN側ポート(今回は
19132/UDP
)
どうでしょう、簡単じゃないですか?これでマイクラサーバーを外部に公開できます。
ただし、必ず外部から接続テストをして確認してください。
機器にもよりますが、変換対象ポート(WAN側ポート)は「利用可能ポート」の範囲内で設定しましょう。
「利用可能ポート」の制限が無いなら、WAN側ポートにどんなポート番号を設定しても構いません。
⑦ 接続テスト2:グローバル環境からサーバーに接続する【統合版】
今度はグローバル環境(外部)からサーバーに接続テストを行います(以下、グローバル接続テストと言います。)。
外部からの接続テストのために事前に準備するものは下の二つです。
準備するもの
- 1)グローバルIPアドレス
- 2)4G(5G)回線に繋がったスマホ(Wifiをオフにしたスマホ)
ちなみに、グローバルIPアドレスの確認はCMANで手軽できます。
1)CMANでグローバルIPアドレスを確認する
上はCMANでグローバルIPアドレスを調べた画面です。
画像の黒塗り箇所にグローバルIPアドレスが表示されています。
2)4G(5G)回線に繋がったスマホ(Wifiをオフにしたスマホ)
この作業は4G(5G)回線に繋がったスマホ(wifiをオフにしたスマホ)でやっていきます。
マインクラフトのアプリの「サーバーを追加」から、確認したグローバルIPアドレスでサーバーを追加します。
サーバーアドレス欄にグローバルIPアドレス(黒塗り)を入力しています。
外部からアクセスするポートは「19744」なので注意してください。
ルーターの設定等が上手くいっていれば、上記のようにPing値が表示されます。
このPing値が表示されていれば、外部から統合版マイクラサーバーが"見えている状態"です。
「サーバーに参加」を押します。
サーバーに接続中の画面になります。
見た目は同じですが、外部から統合版マイクラサーバー(Nukkitサーバー)に接続しています。
これで友達の家(外部)からでも、自分の家の統合版マイクラサーバーに入れるようになりました。
統合版マイクラサーバーにログインしたので、プロンプトを確認してみましょう。
特に注目してもらいたいのは、ログイン箇所の表示です。
22:11:44 [INFO ] アカウントA[/126.236.133.67:59941] がエンティティID 1 として (world, 128.0, 66.0, 128.0)にログインしました
グローバル接続とローカル接続では、ログインしているユーザーのアドレスが違います。
IPアドレスの違い
- グローバルIPアドレス:
アカウントA[/126.236.133.67:59941]
- ローカルIPアドレス :
アカウントA[/192.168.10.102:52956]
アドレスを識別できると、どの段階でシステムがこけてるかを切り分けができるようになります。
また、必ず小から大に発展させるように取り組む癖をつけましょう。
つまりLANからWANに拡張させるということです。
- ローカルのアクセスで問題が出たら、LAN内のPC本体の設定を疑う
- グローバルのアクセスで問題が出たら、ルーター設定を疑う
など、問題の切り分けが容易になるからです。
トラブルシューティング:統合版マイクラサーバー「ネットワークに接続できないようです。」
統合版マイクラサーバーを建てて、いざ外部からサーバーに接続テストをすると
「ネットワークに接続できないようです。」
というエラーが表示されます。
このエラーはおそらく統合版マイクラサーバー構築で一番表示されるエラーだと思います。
このトラブルを解決するのはとても簡単です。
解決策は、大抵は「モバイルデータを使用」をオンにすることで解決します。
詳しくは下の記事を参考にしてみてください。
マインクラフト統合版サーバーのシステム要件(Bedrock版)
最低性能 | |
---|---|
CPU | 2コア / 1.8GHz |
GPU(グラボ) | サーバー機にグラボは不要です。 |
メモリ | 2GB / DDR4 2133MHz 接続人数とメモリの目安 1〜3人:2GB 4〜8人:4GB 9〜15人:8GB 16〜40人:16GB 41〜80人:32GB 81〜150人:64GB |
ストレージ | 起動ディスク:SSD200GB バックアップ:HDD1TB |
回線 | 50〜100Mbps |
OS | Windows or Ubuntu(Linux) |
ご覧の通りマイクラサーバーは低スペPCで十分です。
レンタルサーバーを使うと月額1,000円を払い続けますからコスパが悪いです。
サーバーで重要なパーツはメモリ
- メモリは記載より多めに積んでおくのをオススメします。
- メモリを潤沢に積んでおけばサーバースペックに不足はでないです。
マイクラ用途に限らず、「Apex」なども出来るパソコンを自作しておいて、そこにマイクラサーバーを建てるのがオススメです。
僕のサイトでは価格別にBTOパソコンを比較していたり、コスパ良い自作PCのパーツ構成を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
レンタルサーバー(VPS)は高すぎる!
見ているとレンタルサーバー(VPSサーバー)に誘導する記事が多いですが、はっきり言って「アフィリエイト(広告収入)」が目的です。
ConoHa VPS 月額プラン
月額 | プレイ人数 | |
---|---|---|
2GBプラン | 1,426円 | 4人以下 |
4GBプラン | 2,901円 | 5〜10人以下 |
8GBプラン | 5,802円 | 11人以上 |
ConoHa VPSだと最低2GBプランでも1,426円ですから。めちゃくちゃ高いです。
マイクラサーバーを建てたところで、24時間ずっとつけっぱなしにはしないですし。
無料で「使いたい時に起動する自前サーバー」をオススメします。
Java版と統合版(Bedrock版)のMinecraft(マイクラ)の違い
マインクラフトには、Java版と統合版があります。サーバー立てるならどちらが良いか考える必要があります。
大きな違いは"対応デバイス"です。
JAVA版と統合版の違い
JAVA版 | 統合版(Bedrock版) | |
---|---|---|
オススメ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
対応デバイス | Windows、Mac、Linux | Windows 10、スマホ(iOS・Android)、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PlayStation 4、Kindle Fire、Fire TV、Oculus Rift 注意:Mac、Linuxは非対応 |
MOD・Plugin | 両方○ | プラグインのみ |
サーバー構築 | 立て易い | Nukkitサーバーは立て易い |
ひとこと | JAVA版はModが使える。 | スマホ・Nintendo Switch勢とクロスプレイ出来るのはデカい。 |
統合版のマイクラサーバーは、スマホとNintendo Switchをカバーします。
統合版マイクラはMac、Linux以外のあらゆるデバイスでプレイしたい時にオススメです。
○良い:統合版マイクラ「Nukkit」では、Xbox Live 用ポートを"開放しなくて良い"
統合版マイクラ鯖 Xbox Live 用ポート開放 | |
---|---|
UDP | 88、500、3544、4500、60209(推奨) |
TCP | 80 |
UDP・TCP両方 | 53、3074 |
Teredo有効化 | netsh interface Teredo set state client clientport=60209(上記推奨と同じ値) |
Xbox Live ポート参考
- Xbox コンソールの Xbox ネットワークで使用されるネットワーク ポート
- https://support.xbox.com/ja-JP/help/hardware-network/connect-network/network-ports-used-xbox-live
- https://support.xbox.com/ja-JP/help/hardware-network/connect-network/network-ports-used-xbox-live
- NAT エラーとマルチプレイヤー ゲームの問題のトラブルシューティング
- https://support.xbox.com/ja-JP/help/hardware-network/connect-network/xbox-one-nat-error
先ず結論ですが、今回使った非公式の統合版マイクラサーバー(Nukkit)にXbox Live 用ポートの開放は「不要」です。
NukkitはJavaで動作するからです。
これに対して、公式の統合版マイクラサーバーだとXbox Live 用ポートの開放が「必要」なはずです。公式の統合版マイクラサーバーはJavaで動作していないからです。
統合版マイクラサーバーNukkitでは、Xbox Live 用ポートを"開放しなくて良い"が正解です。
ネットワークIT用語解説
ネットワークで使うIT用語を解説していきます。
「ポート」や「ポート開放」「ファイヤーウォール」などの用語をセットで覚えましょう。
IPアドレス
IPアドレスには2種類あります。
グローバルIPアドレス、ローカルIPアドレス
ローカルIPアドレスの呼び方
- ローカルIPアドレス
- プライベートIPアドレス
ポート
ポートのイメージはサービスを受け付ける個々の料金所です。
インターネット上では、パケット車がたくさん走っています。すべてのパケット車が料金所を通れるわけではなく、開放されているポート(料金所)のみ通過できます。
WAN側ポート、LAN側ポートと使用するデバイスごとにポートを設定する必要があります。
ポートはプログラム(Webサービス)ごとに使用しています。
デフォルトで開放されているポートを「Well Known Port(ウェルノウンポート)」と言います。例えば、http通信は80番ポートを使っています。
実は知らない内に自らポートを開閉させています。
プログラムのインストール時に「プログラムを許可しますか?」に承諾することで、みんな自分のコンピューターのポートを開放しています。
Well Known Port 以外のポートはデフォルトで閉じられているからです。
ポート転送
ポート転送は、WAN側に来たアクセス(パケット)をLAN側の機器に転送する設定です。
ちなみに、今回のNEC製ルーターでは、ポート転送とは呼び方が違う「ポートマッピング設定」という表記です。
ポート転送の呼び方
- ポート転送
- ポートマッピング
- ポートフォワーディング
- ポートフォワード
上のようにルーター機器によって、同じ意味でも表記が様々です。
ルーター
ルーターは高速道路と一般道の中継地点のイメージです。
高速道と一般道の流れが変わる中継地点に各料金所(ポート)があって、車両を一台一台丁寧に検閲していきます。
ちょうどWAN(グローバル)が高速道で、LAN(ローカル)が一般道みたいなイメージです。
WANからLANに入るには、必ず中継地点(ルーター)の案内が必要になるわけです。
高速道のまま突っ走っても、どこに行けば良いのか分からないので中継地点(ルーター)で目的地を教えてもらったりします。それがポート転送(目的地の案内)です。
ファイヤーウォール
「ファイヤーウォール」は、コンピュータネットワークにおいて、コンピュータセキュリティの保護、その他の目的のため、通信を制御・阻止(パケットフィルタリング)する機能を言います。
「ファイヤーウォール」は、パソコン、スマホ、ルーターなどすべてのデバイスに搭載されている機能と理解しておいてください。
高速道路の料金所で「許可された車だけを通す仕組み(機能)」です。
Java版Minecraft にセキュリティ上の脆弱性【Log4Shell】
参考:https://www.minecraft.net/ja-jp/article/important-message--security-vulnerability-java-edition-jp
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