テレビじゃないゲーミングモニターで「NHK受信料支払い」どうなる?

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記事制作者は法務の知見を有しており、放送法の条項を精査した上でこの記事を書いています。

「ゲーミングモニター」でNHK受信料の支払いが発生するかを調べる人は意外と多いです。確かに、ゲーミングモニターは「テレビじゃない」のですが、テレビに似てるので分からなくもないです。

ちなみにNHK受信料の支払いは「放送法」に定められておりかなり仰々しいです。まぁ先ずは結論です。

結論

ゲーミングモニターでは「NHK受信料の支払い」は不要です。

ただ、まだブラウザバックは早いです。

実はゲーミングモニターでも「NHK受信料の支払い」は油断おけないからです。そもそもNHK受信料の支払いを定めた「放送法」があるなんてことを知っていましたか?

ゲーミングモニターでも「放送法」に基づいて受信料の支払い義務が発生すケースは往々に出てきます。本記事を読めば、NHK受信料がいかにあなどれないものかが分かります。

まぁ安易に「踏み倒せば良いじゃん」という問題ではないと気づきます。

目次

ゲーミングモニターは「NHK受信料」を支払わなくて良い!

IODATA GigaCrysta ゲーミングモニター LDGC241UDB

    • 解像度:FHD、サイズ:23.8インチ、パネル:ADS、応答速度:0.5ms GTG、リフレッシュレート:240Hz、その他:AMD FreeSync Premium、製品保証:3年間 パネル、バックライトを含む。
    • 製品概要:https://www.iodata.jp/product/lcd/gaming/ex-ldgc241udb/

ゲーミングモニターの場合、NHK受信料の支払いは不要です。

理由は「放送受信端末ではないから」です。

ただ、「ゲーミングモニター NHK受信料」で調べたくなる理由も分かります。下記を見れば分かる通り、NHK受信料の支払いが不要になるのは「レアケース」だからです。

graph TD classDef red fill:#ff0000,color:white,stroke-width:3px id1("受信端末(テレビなど)の有無") id2("「放送受信料免除基準」を満たすか?") id3("支払い不要"):::red id5("支払い免除") id6("支払い必要") id7("公的扶助受給者<br>市町村民税非課税の身体障害者等<br>福祉施設等入所者<br>奨学金受給対象等の別住居の学生"):::red id8("視覚・聴覚障害者<br>重度の身体障害者等<br>重度の戦傷病者") id1-- "テレビ・スマホ・カーナビなど" -->id2 id1-- "ゲーミングモニターなど" -->id3 id2-- 満たす -->id5 id2-- 満たさない -->id6 id5-- 全額免除 -->id7 id5-- 半額免除 -->id8

先ず、ポイントは「ゲーミングモニター以外の端末」は、ほぼ

NHK受信料は「放送法 第六十四条(受信契約及び受信料)」に基づく

e-GOV 法令検索
e-GOV 法令検索

NHK受信料を定めた「放送法 第六十四条」を解説します。

そんなん難しくて分からない?

いや、一読すれば、めちゃくちゃ面白いことに気づくはずです。

正しく言えば、NHK受信料は「たかが受信料」と思われがちですが、実情は視聴における税金と考えた方が良いでしょう。いや、税金というと国が徴収するお金なので語弊があります。まぁ、これ以上は掘り下げないでおきましょう。

※協会とは日本放送協会(NHK)のことです。

(受信契約及び受信料)

第六十四条 協会の放送を受信することのできる受信設備(次に掲げるものを除く。以下この項及び第三項第二号において「特定受信設備」という。)を設置した者は、同項の認可を受けた受信契約(協会の放送の受信についての契約をいう。以下この条及び第七十条第四項において同じ。)の条項(以下この項において「認可契約条項」という。)で定めるところにより、協会と受信契約を締結しなければならない。ただし、特定受信設備を住居(住居とみなされる場所として認可契約条項で定める場所を含む。)に設置した場合において当該住居に設置された他の特定受信設備について当該住居及び生計を共にする他の者がこの項本文の規定により受信契約を締結しているとき、その他この項本文の規定による受信契約の締結をする必要がない場合として認可契約条項で定める場合は、この限りでない。

 放送の受信を目的としない受信設備

 ラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)又は多重放送に限り受信することのできる受信設備

引用:e-GOV 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000132

簡潔に言えば、テレビが映る端末はすべてNHK受信料の請求対象ということです。

スマホ(ワンセグ)だろうが全部です。

例外は、テレビが映らない(受信しない)端末か、ラジオ放送は対象外です。この条項に基づいて、PC及びその映像を映すゲーミングモニターは「NHK受信料」の対象外だと分かる訳です。

ちなみに、PCが対象から外れたのは想定外だと思います。

仮に今この「放送法」を施行するのであれば、何かしら準放送受信端末とかこじつけて「PC」を「NHK受信料」の対象にすると思います。

続き

 協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた受信料の免除の基準によるのでなければ、前項の規定により受信契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。

引用:e-GOV 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000132

本項は「日本放送協会(NHK)がNHK受信料を血眼になって集める根拠条文」です。

たかが「NHK受信料」であっても日本放送協会(NHK)は「免除してはならない」のです。国が「免除の基準」を定めており、日本放送協会(NHK)に裁量なんか一切ないわけです。

つまり、NHKに「受信料を免除してくれ」なんて言ったところで免除は期待できません。

続き

 協会は、受信契約の条項については、次に掲げる事項を定め、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 受信契約の単位に関する事項

 受信契約の申込みの方法及び期限に関する事項(特定受信設備の設置の日その他の当該申込みの際に協会に対し通知すべき事項を含む。)

 受信料の支払の時期及び方法に関する事項

引用:e-GOV 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000132

ここに面白い記載はありません。次(下)が面白いです。

3の続き

 次に掲げる場合において協会が徴収することができる受信料の額及び割増金の額その他当該受信料及び当該割増金の徴収に関する事項

 不正な手段により受信料の支払を免れた場合

 正当な理由がなくて第二号に規定する期限までに受信契約の申込みをしなかつた場合

 その他総務省令で定める事項

 前項第四号に規定する受信料の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じそれぞれ当該各号に定める額とし、同項第四号に規定する割増金の額は、当該各号に掲げる場合の区分に応じそれぞれ当該各号に定める額に総務省令で定める倍数を乗じて得た額を超えない額とする。

 前項第四号イに掲げる場合に該当する場合 支払を免れた受信料の額

 前項第四号ロに掲げる場合に該当する場合 同項第二号に規定する期限が到来する日に受信契約を締結したとしたならば現に受信契約を締結した日の前日までに支払うべきこととなる受信料の額に相当する額

 協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを協会の放送とみなして前各項の規定を適用する。

引用:e-GOV 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000132

ここが面白いですね。

NHK受信料を支払わなかったら「+α割増金」を請求される可能性があります。その額は「総務省令で定める倍数を乗じて得た額」までとのこと。当然「NHK受信料不払い」では財産差し押さえの可能性すらあります。

どうでしょう?踏み倒せば良いなんか考えなくなりませんか。

2023年「NHK受信料」は過去最大の値下げ⇒月額いくらか?

種別支払方法月額
(値下げ後)
月額
(値下げ前)
地上契約口座振替1,100円1,225円
振込等1,275円
衛生契約口座振替1,950円2,170円
振込等2,220円
※2023年に値下げ予定

念の為「NHK受信料の月額」についても記載しておきます。

表の通り「NHK受信料の月額」は普通に高いです。テレビを持つ方は漏れなく「NHK受信料」で月額1,000〜2,000円を支払うわけです。

最近、NHKはこの受信料をどんどん値下げしていっています。テレビは確実に衰退しているはずなので、その意図が気になります。値下げしないとテレビの衰退を食い止められないとの判断なのか、値下げしてもリターンがあるビジネスなのか、その意図は定かではありません。

ちなみに、僕はテレビを中学校3年生頃から見ない生活をしてきました。今となっては「テレビ離れ」が騒がれていますが、なぜか僕はいち早くテレビを見なくなった人間でした。まぁ単に「テレビを見る時間が勿体ない」という理由だっただけなのですが。

「ワンセグ携帯」はテレビ離れを加速させた

上は「ワンセグ」と言われる携帯テレビです。

今となっては「ワンセグ」は非常防災用テレビとして売られていますが、当時はすべての携帯にこの「ワンセグ」が搭載されていました。当然、どんな携帯でもテレビが見れる状態だったわけです。

そこで問題になったのが放送法第六十四条です。

本条に基くと「ワンセグ」を搭載した携帯ですら「NHK受信料」の徴収対象となったからです。これのせいで携帯を持つだけで「NHK受信料」を請求される自体でした。

当然、この状況を嫌ってか「ワンセグ」は携帯には搭載されなくなりましたが。それも相まって「テレビ業界の衰退、テレビ離れ」が加速していきました。

ゲーミングモニターでもTVチューナー設置で「NHK受信料の支払い」になる

Acer Nitro VG252QXbmiipx

  • 解像度:FHD、サイズ:24.5インチ、パネル:IPS、応答速度:0.5ms GTG、リフレッシュレート:240Hz、その他:DisplayHDR 400 G-SYNC Compatible フリッカーレス、製品保証:3年間 パネル、バックライトユニットは1年間。
  • 製品概要:https://acerjapan.com/monitor/nitro/vg2/VG252QXbmiipx

「ワンセグ」の話に突っ込んだのは、PC及びゲーミングモニターでも「NHK受信料支払い」がずっと対象外かと言うとそうでもないからです。

放送法 第六十四条(受信契約及び受信料)を読んだので容易に想像がつくと思いますが。PC及びゲーミングモニターでも「NHK受信料支払い」に該当するケースは発生します。

NHK受信料の支払いに該当するケース

ワンセグ、TVチューナーなど受信設備を搭載した場合

PC及びゲーミングモニターでも、その端末でテレビを見ていたら≒受信設備があるということで「NHK受信料支払い」の対象です。

まぁ、意外と盲点になるのが初期搭載で「TVチューナー」がついたPC、モニターを買うケースです。

それでも「テレビが観たい人」には「フルセグTVチューナー」がおすすめ!

上記がおすすめのTVチューナーです。すべて「フルセグ」のTVチューナーです。

「フルセグ」とはフル・セグメントの略で、地デジ・FHDなど高解像度で見れる映像受信方式です。ちなみに「ワンセグ」はワン・セグメントだけデータ量、つまり低解像度の映像受信方式です。

まぁ携帯端末のように画面サイズが小さければ、低解像度の「ワンセグ」でも問題なく観れるます。

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