国民生活センターではナイロンコードの使用を推奨しています。
初めて草刈機(刈払機)を買う際に、僕はナイロンコードが安全で便利だとは思いもよりませんでした。
草刈機(刈払機)を使ったことがなかったので、チップソーが危ないとすら思いませんでした。
しかし、ナイロンコードを使ってみると分かりますが、刈刃、チップソーよりも安全安心です。
そんなナイロンコードの問題は?
ナイロンコードをどんな草刈機でも使えると勘違いして、草刈機(刈払機)を頻繁に故障させてしまいます。
草刈機はナイロンコードの使用すると負荷がかかることを知らないからです。
草刈機(刈払機)には、ナイロンコードの使用に関して向き・不向きがありますが、初心者はその判別ができません。そもそも、向き・不向きの性能を見極めるのはかなり難しいです。
この記事では、ナイロンコードに向いている草刈機(刈払機)の性能の見方を解説します。
ぜひ草刈機(刈払機)選びの参考にしてみてください。
こちらの記事も参考になります!
刈刃の飛散物で車の窓すら破壊!ナイロンコードカッターにはキックバックがない!
上記は国民生活センターがテストした草刈機で刈刃、チップソー、ナイロンコードを使った際の飛散物の威力に関する動画です。
動画からも分かる通り、草刈機(刈払機)で刈刃を利用した時の飛散物は、車のフロントガラスを割るほどの威力があります。
そして、ナイロンコード利用時の飛散物は、小石は飛ぶにしてもその威力が弱いこともテスト結果から分かっています。
ナイロンコードにはキックバックがない!
刈刃・チップソーとナイロンコードにはキックバックの違いもあります。
キックバックは回転刃が走る方向にさらに勢いがつく現象です。不意に手を離した散水ホースが踊り狂うイメージに近いです。
キックバックが「硬いものに弾かれる現象」という説明は間違いです。
ナイロンコードのメリット
- 小石など飛散物の威力が軽減される。
- キックバックが起きない。
- コードの手入れもラク。
硬いものがない場所でも、キックバックで回転刃は不容易に周りに走りだします。キックバックによる指などの切断事故が毎年発生しています。
ナイロンコードを使うだけで指の切断を100%防げるのですから使わない理由がありません。
ナイロンコードの手軽さが故障に繋がる。
ナイロンコードは数千円で手軽に利用できます。
見た目もシンプルなので「物凄くコスパ最強の万能刃」だと勘違います。
チップソーよりもナイロンコードの方が草刈機(刈払機)が故障しやすくなるなんて、誰もが思いもよらないわけです。
便利すぎて勘違いする例:ナイロンコードカッター「ウルトラオート4」は「エンジン全機種」に取り付け可能
僕も「ウルトラオート4」を購入しました。
「ウルトラオート4」は、エンジン刈払機全機種に取り付け可能で、この上なく便利だからです。
ただ、この便利さがナイロンコード利用において最も勘違いする点です。
ナイロンコードは機種によって安定して動きません。
ウルトラオート4が全機種で取り付けれるから「大丈夫」と勘違いすると、使っている機種によっては必ず故障します。
注意することは、ナイロンコードが「全機種に取り付けられる」からと言って「全機種の草刈機(刈払機)で故障せずに動く」とはならないことです。
仮にナイロンコードを取り付けて回転したとしてもです。
例えば、排気量21ccの草刈機(刈払機)にナイロンコードは使えるでしょうか?
ナイロンコードは問題なく動くでしょうが、僕ならこの機種でナイロンコードを絶対に使いません。
いつエンジンが故障するのかビクビクして作業に集中できないからです。
どうしてそんなこが分かるのか?
ナイロンコード利用に向いている草刈機(刈払機)かどうかを判断するポイントを解説します。
ナイロンコード利用に向いている草刈機(刈払機)の性能の見方
ナイロンコード利用に向いてるかどうか見極めるポイントはとても簡単です。
ナイロンコードに不向きな草刈機は「小型の草刈機(刈払機)」です。小型というのは大きさではなく「パワー」です。草刈機(刈払機)の大きさにはさほど違いはありませんので。
ナイロンコードを使用できるか確認ポイント
- ① 標準装備のチップソーの径
- ② 排気量
- ③ クラッチ周りが高耐熱部品
普通にチップソーが問題なく使えたとしても、ナイロンコードの使用については性能を見て確実に判断しなければなりません。
確実に性能を見極めて使わないと、実際使ってみたら故障したというのがザラに起こるからです。
① 草刈機(刈払機)の標準チップソーは「直径255mm」だと良い
標準装備のチップソー(金属刃)の径は230mmと255mmの大方2種類です。
あくまで目安ですが、直径230mmのチップソー(金属刃)を標準装備する草刈機(刈払機)は非力の可能性があります
例えば、直径230mmの刈刃を標準装備する草刈機に、直径255mmの刈刃をつけて使うだけで故障することがあります。
たかが、2.5mmの違いでも「かなり大きな違い」になるからです。
ちなみに、僕が買ったマキタ MEM2651UHTのチップソーはφ230(直径230mm)でした。しかし、下で書く排気量も勘案して「ナイロンコードは使用できる」と判断しています。
それくらい草刈機(刈払機)の性能差はシビアです。
② 排気量は「26cc以上」が良い
ナイロンコードの使用に向いている草刈機(刈払機)の排気量は「4ストローク基準で26cc以上」です。
ちなみに、排気量の見方が一番簡単です。
ただ、注意も必要で2ストロークと4ストロークのエンジンパワーには同じ排気量でも差があります。
2ストロークの排気量23ccのパワーが、4ストロークの排気量25ccレベルと言われたりします。
以下で覚えよう!
- 2ストロークなら「23cc以上」
- 4ストロークなら「26cc以上」
ちなみに、僕がナイロンコード使用で買った4ストロークエンジンの草刈機(刈払機)は下記です。
草刈機(刈払機)の中では手頃な値段でありながらプロ兼家庭用をこなせるハイエンド機種です。
そして、メーカーは定評のあるマキタなので高耐久です。
③ クラッチ周りの部品は「高耐熱部品」であること
初見の人ではその違いが全く分からないマニアックな判断材料もあります。
ナイロンコードでは、ほぼ100%エンジンが高熱になって故障します。厳密に言えば、延伸クラッチで回転するクラッチの空滑りにより摩擦熱が発生します。
その熱で真っ先にやられる部品が、クラッチ周りのベアリングです。クラッチ周りが金属製(高耐熱)かどうか見極めるというわけです。
すべてのメーカーではありませんが、部品品質を型番や取扱説明書で開示しているメーカーもあります。
例えば、ホンダ製の草刈機(刈払機)なら型番レベルで判断できます。
UMK425"H"はクラッチ耐熱製品
UMK425はクラッチ非耐熱製品
ちなみに、僕が購入したマキタ MEM2651UHTの製品説明・取扱説明書には、クラッチ周りの部品記載が見当たりませんでした。
ただ「ウルトラオート4」が全エンジン機種に対応していることから、マキタに関してはクラッチ部を耐熱加工している可能性は高いです。おそらくですが。
ナイロンコード利用に向いているかどうか?を総合的に勘案して判断する。
ナイロンコードを使用できるかどうか確認するポイントは、さほど難しなかったと思います。
ナイロンコードを使用できるか確認ポイント
- ① 標準装備のチップソーの径
- ② 排気量
- ③ クラッチ周りが高耐熱部品
このポイントを総合的に勘案して判断しましょう。
ただ、一番重要なポイントを一つ絞るなら「排気量」です。ナイロンコードを使用するなら排気量が「26cc以上」のエンジンを搭載する草刈機(刈払機)を選びましょう。
とりあえずはそれだけでも耐久力ある草刈機(刈払機)を選べます。
おすすめ草刈機(刈払機)は「Makita 4ストロークエンジン 25.4mL MEM428X」
草刈機(刈払機)本体に安くて良いものはありません。「安かろう悪かろう」です。
なので、草刈機(刈払機)は高くて良いものを買いましょう。結局、ランニングコストで元が取れるからです。
僕が使っている草刈機(刈払機)は「Makita 4ストロークエンジン 25.4mL MEM2651UHT」ですが、MEM2651UHTの取り扱いは終了しており後継機種の「Makita 4ストロークエンジン 24.5mL MEM428X」がオススメです。
この草刈機(刈払機)のポイントは?
MEM428X
- 4ストロークエンジン
- 排気量24.5mL
- Uハンドル・ダブルスロットルレバー
4ストエンジンは燃費効率がとても良いです。燃料タンクは0.6Lあって一杯にすれば2〜3時間作業できます。
排気量25.4mLのポイントは"馬力"です。草刈機(刈払機)に馬力が無ければ、安全と言われるナイロンコードカッター利用時に摩擦負けしてエンジンが故障するからです。
Uハンドル・ダブルスロットルレバーは、草刈り作業の疲労が軽減されます、ループハンドルよりも腰の負担が圧倒的に減るからです。
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