もしかしたら、職業訓練を申し込みたいけど審査が厳しくて「手間取りそう」とか思う人が多いのではないでしょうか?
実際、審査・申し込み自体はさほど難しくありません。
むしろ、職業訓練を積極的に活用することを考えた方が良いでしょう。もし現在無職であって、次の就職先がない、就職活動が億劫な場合などは、職業訓練を利用した方が圧倒的に採用されやすいからです。
心中に失業保険を延長したいから職業訓練を受けたいという理由があっても構いません(それを言うかどうかは別として。)。なぜなら、次に就職するにしても、職業訓練を受けて就職先を探した方が結果としては円滑になるからです。
職業訓練に申請した方が良い人は?
冒頭でも言いましたが、職業訓練の申し込みに際して、単に失業保険の受給期間を伸ばしたい、休む期間を伸ばしたい程度の理由で構いません(実際に言うかどうかはおいておき。)。
なぜなら、職業訓練はそういう事情を配慮した上で、次の仕事に円滑に就業してもらう制度になっているからです。実際に話してみると、体調を壊して働けない状況になるくらいなら、職業訓練を受けながら数ヶ月でも休んで、次に繋げてもらいたいと、ハローワークの方にしても、職業訓練施設の方にしても言うはずです。
さて、じゃあ、どういう人が職業訓練に向いているか?
僕みたいに無職無収入など「人生が不安定な人」は絶対的に職業訓練が向いています。
人生が不安定な人
- 次の転職先が決まってない人
- 学校を不真面目にやって何も身についてない人
- 仕事を早期で辞めてしまった人
- 休みながら何かしたい人
- 前職で疲れ切った人
- 失業保険受給期間を伸ばしたい人
理由は後ろ向きな理由であろうとそれで良いのです。
何度も言いますが、これは僕が考える個人主観ではなくて、ハローワーク・職業訓練所の人が思っていることです。ハローワークの人、職業訓練所の方にしても、根詰めて潰れるくらいなら「いっそ休みながら次を探そう」と考えてくれる人たちです。
世の中には厳しい人しかいないと思いがちですが、こと職業訓練に関して言えば、失業してもう無理と思うなら6~9ヶ月は休んでも良いから「前向きになって頑張ろう」というのが趣旨です。
実は職業訓練をした方が「就職しやすい」という事実
半年間(6ヶ月)も職業訓練して無事に就職できるか?
出来ます。
しかも、ハローワークで探すよりも圧倒的に簡単に就職できます。6ヶ月間もの期間で職業訓練しようが、かなりの確率で次の就職先が見つかります。ハローワークか、職業訓練所か、窓口の違いだけで採用される可能性が圧倒的に異なります。
例えば、ハローワークを経由して未経験で電気工事士業界に就職しようとしても先ず出来ません。
企業側からすると、ハローワークの人材は「何らフィルター」にかけられていない人材に見えるからです。電工の求人を出して、本当に何も知らない人が来て、勝手に感電死でもされたらそれこそ本末転倒なので知らない人を中々採用できないわけです。
一方、未経験者でも職業訓練所で求人に応募した方が、電気工事の基本は訓練期間中に習得していると企業側は判断してくれます。要は、資格を有さない未経験者であっても、職業訓練所を経由させた方が圧倒的に採用されやすいわけです。
ちなみに、職業訓練所の場合、自ら企業に応募しなくても指定求人という形で企業側からアプローチがあります。若い人である何十もの企業から求人が届きます。その中から条件の良い会社を選んで応募すれば、必ずどこかに内定は決まります。
ただし、給与面など条件については、ハローワークの求人とは大差ありません。
ハローワークに職業訓練を申請する流れ
職業訓練を受けるまで流れは施設により様々です。
しかし、大抵、ハローワーク経由になるのではないでしょうか。そんな僕もハローワークを経由して職業訓練に申し込みました。
思いの外、ハローワークで職業訓練を申し込む流れは簡単でした。
申請する自然な流れ
- ハローワークでの手続き
- 1-1. ハローワークで職業訓練を選ぶ。
- 1-2. 活動報告(月1回実施)で職業訓練への興味を示す。
- 申し込み理由(後述)
- 一度見学に行ってみたい旨を伝える。
- 1-3. 次の活動報告で見学した感想を伝える。(ここで申し込みを決定しても良い。)
- 1-4. 早めにハローワークに申し込みする。
- 職業訓練所での手続き
- 2-1. 職業訓練所を見学する
- 2-2. 適正検査(筆記試験、クレペリンテスト)
- 2-3. 面接
- 3. 合格通知、ハローワークから職業訓練命令を受けて職業訓練開始
ちなみに、申し込み理由で詳しく書きますが、職業訓練の申し込みには「再就職への意欲」が必要になるので、疲れを癒やすために長期間にわたる職業訓練を利用するのは全然構いませんが、決して「この仕事をやるかどうか分からないけど何となく使えそうだから応募した」など言わないようにして下さい。
再就職への意欲がないと判断されると職業訓練は受けられません。
ちなみに、混同しやすい点ですが、ハローワーク・職業訓練所の両方に、申し込み手続きを行っていくことになります。手間ではありませんが、職業訓練所では適正検査(筆記試験)、面接が実施されたりしますので、念のため覚えておいて下さい。
ハローワークに職業訓練を申し込みする時の理由は?
さて、ハローワークに職業訓練を申請する際に、何かしら理由を必ず聞かれます。
これは面接ではありません。
そこまで難しく考える必要はありません。相手が自然に納得するような理由を考えましょう。
僕の場合は
以前から電気工事士に興味ありました。例えば、電気工事士になれば毎年夏場にエアコン工事ができるからです。
もしくは
もっと端的に言って、電気工事は社会的にかなり需要がある仕事だからです。
※実際、電気工事の需要はかなり高いです。
と伝えたら納得してもらえました。
余談ですが、実際、自分のお金で電気工事士を取ろうか以前から検討しており、この志望理由は気軽な気持ちではあるにせよ事実です。
この程度でハローワークでの申請手続きは済みますので、職業訓練所に通う気があるならさっさと申請手続きを完了させてしまいましょう。
次は職業訓練所固有の手続きです。
ハローワーク申請後、職業訓練所での手続き
職業訓練所の手続きはその施設によります。
なので、あくまで一般的な流れとして認識しておいて下さい。とは大方この流れで手続きを踏みます。
職業訓練所の手続き
- ① 職業訓練所を見学する
- ② 職業訓練所に申し込み書を送る(ハローワーク経由)
- ③ 職業訓練所で適性検査、面接を受ける
ハローワークに訓練申請を終えたら、職業訓練を受けれるかとそうではなくて、受け入れ先の職業訓練所でも所定の手続きをしなければなりません。
また、職業訓練所の見学は任意ですが、希望する職業訓練所をあらかじめ必ず見学しておきましょう。詳しい進め方などを下記で解説します。
① 事前に職業訓練所を見学しておく理由
職業訓練所の見学は任意ですが、事前に必ず訓練所を見学しておくことをオススメします。
仮に見学を募集していない施設であっても、見学できるか、をハローワークの職員に相談して施設に確認してもらって下さい。
一度見学しておくだけで、その後の手続きがスムーズに進むからです。
ハローワークの職員に対しては、見学したという実績だけで「やる気」への説得力を帯びるからです。職業訓練所の職員に対して、後々の面接時へのアピール、志望動機に繋がって印象が良くなります。
個人的にも職業訓練所の見学が「ここに通ってみたいと思う決定打」になりました。
② 職業訓練所に申し込み書を送る(ハローワーク経由)
「① 職業訓練所の見学」が終わったら、ハローワーク経由で職業訓練所に申し込み書を送ってもらいましょう。
いや、やり忘れないでしょ?
と思うかも知れませんが、ハローワークなどの行政窓口は基本的に「申請主義」なので、自ら申し出ないと向こうから何かしてもらえることは一切ありません。
実際、僕は職業訓練申請時にトラブルに見舞われましたから。
職業訓練の申請締め切りの前日に大寒波で大雪になってしまって路面バスが運休停止になりハローワークに行けなくて相談したときですが。
僕の家の前の積雪は1mくらいあって外にすら出れない状況の中
- 私「今日訓練の申請に行こうと考えてましたが、大寒波で大雪のため路面バスが運休停止となり行けませんでした。」
- 私「明日、訓練の申請締め切りの前日になりますが、高確率で大雪が継続して路面バスも運休になるかと思われます。その場合、訓練の申請締め切り日を延ばしてもらえますか?」
- 職員「(確認して)訓練の申請締め切り日を伸ばすのは難しいです。」
- 職員「定員割れかで再募集されるのを待つか(不確定事項)、次回(半年後)に申請するしか受け付けはありません。」
ちなみに次の日は奇跡が起きて、前日に積もりまくっていた雪が解けて路面バスは運行していたので、僕は申請締め切り当日にどうにか申請することができました。
職員の方も、僕の執念に納得せざるおえなくなり、何も言わずに申請を通してくれました。このようなトラブルが嘘みたいに起こります。なるべく早め早めに行動しておきましょう。
③ 職業訓練所で適性検査、面接を受ける
まだ何かあるんか?と思いますが、あります。
「② 職業訓練所に訓練申し込み書の送付」が終えたら、最後に職業訓練所で適正検査(筆記試験)と面接を受けることになります。
Google検索すると「職業訓練 適正試験 難しい」など候補に出てきます。
安心して下さい。大方の職業訓練は「定員割れ」しています。定員割れしてる職業訓練は、適正検査(筆記試験)があるものの無試験扱いで通過させてくれます。
僕が受けた電気工事士の職業訓練も募集30名に対して、応募者24名と「定員割れ」しており結果的に全員合格でしたから。しかし、それでも下記適正試験対策・面接対策をやっておいた方が良いとは言っておきます。
職業訓練所の筆記試験
当然、職業訓練校によって試験問題の書式は違いますが、試験のレベル的には上記内容が出来れば十分です。ちなみに、僕が受けた適正検査(筆記試験)の設問は下記でした。
- 時事問題
- 物価の円高円安など
- 算数問題
- 四則演算
- 少数分数、割り切れない、余り出たり、
- 速さ・距離・時間の問題
- 方程式
- 水溶液の立式問題
- 図形問題
- 平行・相似・合同
- 立体図形の中に三角形はいくつあるか?など
僕は、新卒時にSPIをやっていたり、塾講師、家庭教師で算数・数学はなんだかんだ覚えていたので無勉強で大丈夫でしたが。
何かしらSPIなど対策しておいた方が良いか知れません。高校を卒業して以来、国語・数学に触れてない方には「チンプンカンプン」になるかも知れないからです。
その後の職業訓練内容にもよりますが、電気工事士だとオームの法則など簡単な算数・数学が必要になるます。あらかじめ筆記試験対策をやっておいても損はないとは思います。
職業訓練所の面接
適性試験の後に面接が実施されます。面接でされた質問は下記です。
- 名前を言って下さい。
- どうして電気工事士を志望するのか?
- 就職先の目処はあるか?
- 資格試験の勉強は大丈夫か?
- 遠い場所のため、残っても通学に影響はないか?
どれも適当に「大丈夫です。」と答えた程度でしたが、面接官の対応はどれも温和なもので経験的に「合格だろうな」と分かる面接でした。
但し、この面接は事前の適性試験の結果を踏まえた上で実施されます。要するに適正試験の結果が良かったほうが、確実に印象が良くなります。
僕の場合で言えば、ハローワークの職員から何もアドバイスをもらっておらず、当日はスーツと知らずに私服にニット帽という出で立ちで行ってしまいました。一方、試験地にいる人たちはスーツを着ている人が大半でした(全員ではないですが)。
しかも、電気工事士は未経験ですし。
面接官からすると、僕の見た目では印象・評価に上がる要素がない訳です。
ただ、僕の適性試験の結果は「満点」に近いものであったと思います。このため、悪い出で立ちで面接に挑んでも質問では咎められずに通過するに至りました。
疑問.職業訓練所の環境は?
答え.教室は清潔で快適です!
職業訓練所の見てくれは古いですが、中の施設・設備は「かなり快適」です。
なぜなら、全館にエアコンが完備されているからです。※おそらく、全国どこの職業訓練所もエアコンが完備されていると思います。
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