TFT液晶ってなんだ?
現在、世の中に出回る液晶ディスプレイです。手に取るモニター・ディスプレイはすべてTFT液晶で駆動していると言っても過言ではありません。
厳密に言えば、TFT液晶とは、Thin Film Transistor Liquid Crystal Display(薄膜トランジスタ液晶)の略で、薄膜トランジスタをスイッチング素子として使用する液晶ディスプレイの表示素子のことです。
また、TFT液晶は、IPS、ADS、VA、TNといった液晶パネルの駆動方式で分けられます。
IPS・ADSパネル、VAパネル、TNパネルはすべてTFT液晶
液晶ディスプレイと言えば「TFT(LCD)液晶」です。
そんなTFT液晶(液晶ディスプレイ)は、さらに液晶パネルの駆動方式で分類されます。それが「IPS・ADSパネル、VAパネル、TNパネル」といった液晶パネルです。
各液晶パネルの駆動方式の特徴が下記です。
IPS、ADSパネル | VAパネル | TNパネル | |
---|---|---|---|
視野角 | ◎ | ◎ | △ |
色ずれ | ◎ | ◯ | △ |
透過率 | ◯ | ◯ | ◎ |
コントラスト | ◯ | ◎ | ◯ |
応答速度 | ◯ | △ | ◎ |
オススメ用途 | FPSゲーム含む全用途 | 色鮮やかな映像、動きが少ないゲーム | FPSなど動きが速いゲーム |
結論から言えば、IPS・ADSパネルがもっとも優秀な液晶パネルとされています。IPS・ADSパネルは、視野角が広くてくっきりした映像が見れるの特徴です。
そのため「目が疲れないパネル」にIPS・ADSパネルがおすすめされます。さて、その他の液晶パネルについて、メリット・デメリットを下記で詳しく解説していきます。
IPS・ADSパネル、VAパネル、TNパネルのメリット・デメリット
IPS(IN Plane Switching)方式は、液晶分子を水平方向に駆動させる方式です。高い透過率、広い視野角、高コントラスト比、低消費電力のパネルになります。高価なパネルになります。
ADS(Advanced super Dimension Switch)方式も、IPSパネルと同じ水平方向に駆動させる方式です。IPSパネルと特徴は同じになりますが、IPSパネルよりも安価なパネルになります。
IPSパネルとADSパネルに違いはない?
主要製品を比較
試しにADSパネル、IPSパネルで製品をピックアップして性能を比較してみます。長々とスペックを記載していきますが、まぁ結論は「性能差はありません」です。
両方とも価格は4万円です。
ただ、本来、ADSパネルであるIODATA GigaCrysta ゲーミングモニター LDGC241UDBの方が1万円以上安くなるはずなので、どこで価格差を埋めているか注意しましょう。
ADSパネル | IPSパネル | |
---|---|---|
IODATA GigaCrysta ゲーミングモニター LDGC241UDB | Acer Nitro VG252QXbmiipx | |
価格 | ¥44,746 | ¥44,713 |
パネル | TFT液晶:ADSパネル | IPSパネル |
サイズ | 23.8型ワイド | 24.5型 ワイド |
表面処理 | 非光沢 | 非光沢 |
解像度 | FHD (1920×1080) | FHD (1920×1080) |
画素ピッチ(mm) | 0.2745 (H) x 0.2745(V) | 0.283 (H) x 0.280 (V) |
表示面積(mm) | 527.04 (H) x 296.46(V) | 544 (H) x303 (V) |
最大表示色 | 1677万色(10億7374万色) | 約1670万色 |
High Dynamic Range | n/a | DisplayHDR 400 |
視野角 | 上下:178°、左右:178° | 水平178° / 垂直178° |
最大輝度(標準値) | 350cd/㎡ | 400cd/㎡ |
コントラスト比(標準値) | 1000:1 CREX2設定時:12,800:1 | 通常:1000:1 最大:100,000,000:1 (ACM) |
応答速度 | 5ms[GTG](設定時:0.9ms[GTG]) | 1ms (GTG) / 0.5ms (GTG, Min.) |
G-Sync、FreeSync | AMD FreeSync™ Premium | G-SYNC Compatible |
水平走査周波数(kHz) | HDMI1、HDMI2:15.0 ~ 270.5 | HDMI:31-255kHz |
DisplayPort:31.0 ~ 270.5 | DisplayPort:255kHz | |
垂直走査周波数(Hz) | HDMI1、HDMI2:23.0 ~ 240.0 | HDMI:56-240Hz |
DisplayPort:60 ~ 240 | DisplayPort:50-240Hz | |
リフレッシュレート(Hz) | 240Hz | 240Hz |
映像入力端子 | HDMI×2 | HDMI×2 |
DisplayPort×1 | DisplayPort v1.2×1 | |
USBポート | USB Type-B:USB 3.2 Gen 1 | n/a |
USB Type-A:USB 3.2 Gen 1 ×1 | n/a | |
音声入力 | n/a | n/a |
スピーカー | 2W+2W(ステレオ) | 2W+2W ステレオスピーカー |
ヘッドフォン端子 | ステレオミニジャックφ3.5mm | あり |
音声出力 | ステレオミニジャックφ3.5mm | n/a |
ブルーライト軽減 | n/a | BluelightShield |
その他 | n/a | フリッカーレス、ゼロフレーム |
定格電圧 | AC100V 50/60Hz(電源内蔵) | 内蔵 (100-240V、50/60Hz) |
消費電力 | 最大55W | 最大42W |
通常19.4W | 通常38W | |
年間消費電力 | 61.4kWh | n/a |
外形寸法(mm) | スタンド含む540(W)×231(D)×396~492(H) | 約557.8 (W)x 240.1(D)x 419.5(H) |
スタンド除く 540(W)×50(D)×325(H) | ||
質量 | スタンド含む約6.6kg | スタンドあり: 約3.6kg |
スタンド除く約4.1kg | スタンドなし: 約3.12kg | |
チルト角 | 上:20° 下:3° | 上20° / 下5° |
スイベル角 | 左:65° 右:65° | なし |
高さ調整 | 110mm | なし |
ピポット | 右:90° | なし |
VESAマウント | ○ (100mm×100mm) | ○ (100mm×100mm) |
使用温度 | 動作時:0℃~40℃ | 0℃~40℃ |
収納時:-20℃~60℃ | ||
使用湿度 | 20%~80%(結露なきこと) | 20%~80%(結露なきこと) |
保証期間 | 3年間※パネル、バックライトを含む。 | 3年 ※パネル・バックライトユニットは1年 |
ADSパネルが4万円に設定されている理由は「保証期間」の厚さです。
ADSパネル「IODATA GigaCrysta ゲーミングモニター LDGC241UDB」は、パネル、バックライト含めて3年という保証期間に設定されています(パネル、バックライトは1年であるのが普通です。)。
まぁ保証を厚くして+1.4万上乗せしても、この商品だと本来の価格は3万くらいなので、お得感はいまいちですね。僕だったらIPSパネルのAcer Nitro VG252QXbmiipxを買います。
- 解像度:FHD、サイズ:24.5インチ、パネル:IPS、応答速度:0.5ms GTG、リフレッシュレート:240Hz、その他:DisplayHDR 400 G-SYNC Compatible フリッカーレス、製品保証:3年間 パネル、バックライトユニットは1年間。
- 製品概要:https://acerjapan.com/monitor/nitro/vg2/VG252QXbmiipx
(動画)ADSパネル「Innocn WR40-PRO 40インチ2K」実機レビュー
ADSパネルのモニターは確実に安いです。
上の動画は、僕が購入したADSパネル製品「Innocn WR40-PRO 40インチ2K」です。
「Innocn WR40-PRO 40インチ2K」は40インチ2Kのスペックでありながら6万円で買えるモニターです。
商品欄にはIPSパネルと記載されていたので、同じ性能とは言えADSパネルと知って後日返品しました。※新興メーカーなので記載の違いには敏感になったからです。
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